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絶望チーム開発日記(1)「休学」「退学」「自殺」

Diary
くろえい
著者
くろえい
高専生.ガジェット、中国やお出かけに関心あり.1人旅は移動式の引きこもり.たまにお勉強.「すごい人」にはなれなかったが、日々奮闘しております
目次
絶望チーム開発日記 - この記事は連載の一部です
パート 1: この記事

はじめに
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私の通う高専の情報学科では、4年生になるとクラスでチームを作り、プロダクトを開発せねばならない.私はチームのリーダーとなった.私を含め、チームには開発経験のある者は居ない.未だ初期の段階であるが、既に大きな「絶望感」が漂っている.このチーム開発の記録を残す.

最初の最初に失敗を犯す
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私はチーム決めの前に、低能ながら何を作ろうか考え、「学校内ジモティー」を思いついた.これは、校内での物の貸し借りや譲渡を簡単にしようというものである.なんて陳腐なアイデアであろう

ここで犯した大失敗は、これをクラスLINEで送信し、一緒に作りたい人がいないか募ったことである.そもそもほぼ友達がいないだけに、誰が私とこんな陳腐なものを作りたがるであろうか?

チーム
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6人で構成される.

はっきり言うと、私のチームは「余り者」と人数制限で所望のチームに入れなかった「不幸者」の集いである.(酷い事を言い申し訳ない.しかし、他のチームメンバーも薄々感じていることであろう.)

私はスクールカースト最底辺に位置しており、既に形成されている「仲良しグループ」に入ることなど不可能なのだ.

可哀そうなことに、人数制限の関係でこのチームに入ることとなってしまったスクールカースト上位層もいる.

さて、このチームにおいて、冒頭にも申した通り開発経験がある者はいない.最もPC経験のある私でも個人開発の経験すらない.そして何より問題なのは、他のメンバーにPC経験がほとんど無いであろうことである.基本操作が出来ない程ではないのだが、自身のPCのOSが Windows 10 か 11 か曖昧というレベルである.

こんな状態にも関わらず自分達の力でアプリを作れ?なんと無茶な話だ.

チームでは私の大変陳腐なものを作ることになっているから、おそらくメンバーのモチベーションはほとんど無いだろう.私も無い.

経験者がいないこのチームでアプリを作ることがどれだけ困難であろうか.

スケジュール
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学校から提示されている大まかなスケジュールは次の通りである.

日付 予定
4月 チーム決定、アイデア出し、企画書、要求定義書
5月 詳細を考える、設計書、スケジュール管理
6月 - 9月 開発
10月 完成、学校祭にて展示

毎月発表スライドと報告書を作成せねばならない.

アイデア出し
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私が最初に提示したアイデアはあまりに陳腐過ぎたため、「学校で困ったこと」を基軸にアイデアを出してもらった.ある程度テーマを絞り込まないとアイデアも出しにくいであろうからだ.

次のようなアイデアが出た.

  • 校内マップ
  • 先生の居場所特定 ← 先生に何らメリットが無いから使ってくれない
  • コミュニティの形成を助けるもの
  • 学生や教員がもつ興味関心を可視化するもの

話し合いでは作る物が決まらなかった. チームで Discord サーバーを作ったが、設けられた話し合いの時間以外にここで議論がなされることはなかった. そしてゴールデンウイークが過ぎ去る.

作る物
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企画書の提出期限まであと5日というところで、半ば強制的に、私がゴールデンウイーク中に思いついた Web アプリ を作ることに決まった.これもだいぶ陳腐なものであるが….

課題
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入学当初に抱くような悩みを解決する手助けをする.

  • 人の名前を覚えられない
  • 皆の前で自己紹介するのは緊張するし、十分に自分をアピールできない
  • 自己紹介失敗した
  • 自分と趣味が合う人を見つけたい
  • 最初から LINE やインスタを交換するのに抵抗感がある
  • 人となかなか喋れない

内容
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  • プロフィール交換を簡単にする
  • 二次元コードによる交換や、あるグループ内での一斉交換に対応する
  • 交換した日時や場所を保存
  • 複数のプロフィールを作成可 (e.g., 学校用, 職場用)
  • 相手に見えない個人用のメモを作成可
  • テーマ機能で自分好みの見た目にできる
  • 画像や JSON へのエクスポート可
  • プロフィールに記載された興味・関心を検索可
  • 先生も学生らの興味を把握でき、それに従った効果的な授業が可能
  • 属しているコミュニティ (e.g., 部活、同好会、何寮か) を可視化
  • DM機能は実装しない (既に交換済みの相手に自分の他のプロフィールを共有できるようにする)

ネットを漁ると、良くも悪くも既に同じ物が存在していた.

独創性に欠けてしまうが、開発の参考になるものが存在して助かる.

これを見る限り、難易度はそこまで高くなさそうである.ある程度開発経験のある人なら1週間もあれば作れるのではなかろうか.

1人で提出物を全部書く絶望
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私1人だけで次の内容の企画書を書いた.

  • 作品名
  • プロダクトの内容
  • 実現方法
  • 独創性

作りたい物が固まっている人には簡単なことであろうが、私はこれを書くのにかなりの時間を費やしてしまった.書く内容が全く頭から出てこない.作品名を考えるにあたっては2,3時間も費やしてしまった.

私はここで大きな大きな絶望感を味わった.これほどまでに遅い進み具合では、勉強にもかなりの支障をきたすではないか.

このネガティブな思考は膨張を続け、「休学」「退学」「自殺」という言葉が頭をよぎるようになった.

人生の後悔
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コミュ障で卑屈なやつがどれだけ人生損しているかほんとに痛感する. 高専にはせっかく技術力の高い人が多く居るのに、仲良くなれることはなかった. 課外で他の人と何かを成し遂げることも無かった、チーム開発とか. あらゆるチャンスを棒に振ったと思う. コミュ力は最近改善傾向にあるが、まだまだ低い.

タスク
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5月末までに次の内容の月例報告書を提出せねばならない.

  • システム内部構成
    • モジュール構成図 : システム全体をモジュール (機能) で分割し、そのモジュール間の繋がりを表す.
    • フローチャート : システム全体と各モジュールについて
    • クラス図 : データ、メソッドを省略しても良い
    • データベース設計
  • リスク管理
  • スケジュール管理
    • ガントチャート

開発経験もなく、クラス図の書き方も忘れ、作る物が全く固まっておらず、チーム内での議論もままならないこの状況では、これを書くだけでも多くの時間を要することであろう.6月上旬に前期中間試験を控えており、こんなことには時間を奪われたくないのであるが、、、

すべきこと
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  • Figma の使い方を覚える
  • ツールやライブラリに一通り触れる

経験ゼロからこれをやろうとするのはしんどい、

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